製造業設計エンジニアが転職する際の5つの注意点
製造業において上流工程から下流工程へとつなぎ、重要な役割を担う設計エンジニア。
製品開発の中核を担う仕事であることから「製造業の花形」とも呼ばれますが、未経験の仕事の魅力や待遇の不満、やりがいなどの理由によって、転職を希望する人も多いのではないでしょうか。
そもそも設計エンジニアの採用ニーズ自体は多いといわれています。しかし、ひと括りに製造業といっても自動車から医療機器まで幅広く、応募企業によっては転職が困難な場合もあります。また、何の情報も持たなければ転職に失敗する恐れもあるでしょう。
そこで今回の記事では、製造業設計エンジニアが転職する際の難易度や転職時の注意点、転職を成功させるためのコツなどをお伝えしていきます。
製造業設計エンジニアの転職難易度は?
製造業設計エンジニアへの「転職難易度は高い」です。
理由は、設計エンジニアは専門性の高い仕事だからです。
ただし、ひと括りに製造業設計エンジニアといっても自動車メーカーに食品メーカー、医療機器メーカーなど、細かく分類されます。現職の製造メーカーから似たような製品を作るメーカーに転職するなら難易度も下がるでしょう。
端的な例えですが、乳製品を製造するメーカーから清涼飲料水を製造するメーカーへの転職であれば、自身が持つスキルを活かせる可能性が高いので、転職しやすいといえます。
一方で、飲料水メーカーから自動車メーカーへの転職は、自身の知識やスキルが活かしにくいことから、ハードルが上がるのは間違いありません。
技術者としての転職を希望するのであれば、業界の事情や仕事の内容について知識を深めておく必要があります。
設計エンジニアが転職する際の注意点
設計エンジニアが転職する際の注意点は、5つあります。
- 転職の目的が曖昧にならないこと
- 希望する業界の情報をリサーチしておくこと
- 転職の理由を考えておく
- 自分のスキルをきちんと伝える
- 求人の探し方を知っておく
順番に説明していきます。
注意点①:転職の目的が曖昧にならないこと
転職の目的が曖昧になると、転職後に後悔してしまう恐れがあるからです。
転職後に「前の職場の方が良かった」と後悔しても、雇ってもらえない可能性もありますし、以前と同じ条件で雇ってもらえるとも限りません。また、転職後の条件も明確にしておかないと、自分に合った求人を探すのが大変です。
以上の理由から、転職の目的を曖昧にならないよう注意しましょう。
注意点②:希望する業界をリサーチしておくこと
未経験の分野へ転職する場合は、特に業界について知っておく必要があります。
何も知らない状態では面接のときに「ここまで何も知らないのに、入社しても大丈夫なのだろうか?」と思われる可能性もあるからです。逆に業界の知識があれば面接のやり取りもスムーズになりますし、入社後もその知識が役に立ちます。
業界団体のホームページや書籍、説明会などでも情報をリサーチすることができるので、事前に調べておくことをおすすめします。
注意点③:転職の理由を考えておく
特に異業種への転職では、面接時に転職理由を尋ねられる可能性が高いからです。
「人間関係が嫌になった」「給料に不満があった」といったネガティブな転職理由は、なるべく避けた方が無難です。「うちの会社でも同じ理由で辞められないだろうか」と考えられてしまっては、採用される可能性が低くなってしまいます。
嘘をつく必要はありませんが、悪い部分にあえて触れる必要もないはずです。
たとえば、給料に不満がある場合は「以前の職場は年功序列が根強く残っていましたが、スキルや実績なども評価してもらえる御社にまい進したいので、転職を決意しました」のように、逆に熱意をアピールするだけでも印象が大きく異なります。
面接の対策として、転職の理由を考えておきましょう。
注意点④:自分のスキルをきちんと伝える
せっかく高いスキルがあっても、上手にアピールできなければ意味がありません。
特に技術者は自身が開発した製品や開発技術などを持っている場合が多いので、職務経歴書に忘れずに記載しておくことが大切です。
たとえば、機械設計ならどんな製品の開発に携わったのか、どんなCADを使用したのかを分かりやすく記載しましょう。特に面接ではスキルチェックされることが多いので、職務経歴書の記載は重要です。
職務経歴書の内容を尋ねられたときも、相手が専門外なら難しい単語の使用は避けて、わかりやすく伝えるように心がけてください。
注意点⑤:求人の探し方を知っておく
求人の検索方法の選択肢が少ないと、希望する条件の仕事がみつかりにくいからです。異業種の求人を探す方法は大きく、以下の5つの方法があります。
- 知人や取引先の紹介など人脈を活用する
- ハローワーク
- フリーペーパーなどの求人雑誌や新聞
- 求人・転職サイトやスマホアプリ
- 転職エージェント
下記から、簡単に説明していきます。
方法①:知人や取引先の紹介など人脈を活用する
人脈を活用した転職は、ほかの方法と比べて採用される可能性は高いといえます。しかし、紹介で転職すると条件が合わないときなど、紹介者の立場を考えると退職しにくいというデメリットがあります。
方法②:ハローワーク
ハローワークは地域の情報が多く、相談員による手厚いフォローもあります。一方で、実際に足を運ばないと利用できなかったり合わない相談員が担当になったりする場合があることがデメリットです。
方法③:フリーペーパーなどの求人誌や新聞
求人誌や新聞は使い勝手が良く、地域の情報もたくさん掲載されています。ところが、募集期間に限りがあるものが多いほか、表示スペースの関係から詳細を知ることは困難です。
方法④:求人・転職サイトやスマホアプリ
求人サイト・転職サイトは、全国の転職情報が掲載されているなど情報量が豊富です。しかし、面接の日程調整などは自分で行うので手間がかかります。また、面接対応や入社までのサポートも自分で行うため、得られる情報は少ないといえます。
方法⑤:転職エージェント
転職エージェントは、専門のキャリアアドバイザーに転職の相談ができるなど、転職のサポート体制が充実しています。ただ、自分のペースで転職活動は進めにくく担当者との相性が悪いこともあります。
転職を成功させるコツを解説
転職を成功させるコツを、年代別に説明します。
- 20代前半:短期離職は反省も必要
- 20代後半:転職の方向を決める
- 30代:親しみやすさをアピール
- 40代:自分の市場価値を見極める
上から順番に見ていきましょう。
20代前半:短期離職は反省も必要
社会人経験が浅い第二新卒は、短期で離職してしまった点を反省することも大切です。
応募企業の面接官は採用してすぐに辞められても困るので、この懸念を払拭する必要があります。そのためには、反省すべき点は反省して今後は心機一転がんばっていきたいという気持ちを伝えると、面接官の印象も変わるのです。
企業側の立場を理解できるかどうかも、成功率につながります。
20代後半:転職の方向を決める
一定の経験もある20代後半は、選択できる求人が最も多い時期です。
選択肢が多いということは、方向性がブレやすくなってしまうということでもあります。ある程度は転職の方向を決めておかないと、全く向いていない仕事をやり続けることになってしまいます。また、未経験の仕事の難易度が高いことには違いありません。
以上の理由から、事前に転職の方向を決めておくことをおすすめします。
30代:親しみやすさをアピール
30代は、コミュニケーション能力の高さもアピールしましょう。
年下の従業員とも関わることが増えるので、応募企業の多くは親しみやすさやコミュニケーションの取りやすさも重視し始めるからです。転職の理由について質問されたとしても、わかりやすく的確に説明できるようにしておくことも大切です。
企業によってはリーダーシップのある人材を求めている可能性もありますし、コミュニケーション能力があってマイナスになることはありません。
40代:自身の市場価値を見極める
スキルを重視されがちな40代は、自身の市場価値を見極めることも大切です。
そもそも40代は書類選考の通過率も低くなるうえ、抵抗感を持つ企業も増えます。30代と比べてもスキルが重視されるので、急がず慎重に時間をかけて選考に進めるように準備する必要があります。
応募企業側には安心感を与えるために、コミュニケーション能力だけでなくスキルやマネジメント能力などもアピールしましょう。家族がいる場合は事前に相談して、次の仕事が決まる前に退職しないようにする配慮も求められます。
就職難易度は高いですが、その点を踏まえて転職活動を行いましょう。
設計エンジニアが転職する際の手順を解説
設計エンジニアが転職する際の手順は、以下のとおりです。
- 転職活動の準備を整える
- 転職を希望する企業へ応募する
- 内定が確定したら転職する
転職活動の準備とは、自己分析や業界・応募企業の情報収集、履歴書や職務経歴書などの書類を作成することなどです。転職を希望する企業へ書類を送り、書類選考に通れば面接へと進みます。
企業から内定を取得することができれば、入社を承諾して在職中の会社に退社の旨を伝えます。業務の引継ぎを経て、新しい職場へと入社します。
転職エージェントへ相談してみよう
設計エンジニアから他業種へ転職する際は、転職エージェントに相談することをおすすめします。上記でも少し触れましたが、転職エージェントとは「転職希望者と採用を検討している企業の間に立ち、転職成功を支援するサービス」のことです。
その役割は、求職者が効率よく転職できるようにサポートすることです。求職者が在職中の場合は、都合のいい時間にキャリアアドバイザーが面接対応や書類添削などをおこなってくれます。
転職エージェントをおすすめする理由
転職エージェントをおすすめする理由は、企業の情報を豊富に保有しているからです。転職エージェントには定期的に企業へ足を運ぶ営業が在籍しているので、業界や企業の事情に精通しています。また、非公開の求人情報も多く保有していることから、ほかの求人よりも競争率が低いのです。
中でも、「地域の企業に詳しくサポート力が高い」「特定の業界だけに特化した情報を保有している」などの特化型エージェントもあるので、自身の希望によって使い分けることもできます。
転職エージェントを活用するメリット
自身の困りごとや悩み事を相談できる点も、転職エージェントならではのメリットです。
未経験の業種への転職は何かと不安になりがちですが、アドバイスによって不安を和らげてくれたり、成功するための攻略法を教えてくれたりします。
転職で困ることがあれば、転職エージェントを上手に活用しましょう。
特に転職エージェントが向いている人
転職エージェントが向いているのは、以下のような人です。
- 早く転職したい・本気で転職を考えている
- 自分に合った求人を探すのが苦手
転職エージェントにはサポートする期間が決まっているため、キャリアアドバイザーもしっかりとサポートしてくれます。逆に、転職を本気で考えていない人は長期間フォローを続けても転職をしないので、転職エージェントには向きません。
自分に合った求人探しが苦手な人にも、転職エージェントがおすすめです。
転職の求人探しにはまとまった時間も必要ですが、在職中の場合は忙しくて時間が取れないケースも多いです。転職エージェントは自身の経歴や希望する条件をヒアリングしたうえで、受かる可能性の高い求人をみつけてくれます。
こうした理由から、転職エージェントの利用は上記のような人が向いています。
まとめ
今回の記事では、製造業設計エンジニアが転職する際の難易度や転職時の注意点、転職を成功させるためのコツなどをお伝えしました。
以下に、お伝えした内容をまとめました。
- 機械設計エンジニアの転職難易度は高い
- 転職先によっては難易度が下がる
- 転職時は転職の目的や退職の理由を考える
- 面接時は自身のスキルをきちんと伝えることが大切
- 転職を成功させるコツは年齢によって異なる
- 機械設計エンジニアの転職は転職エージェントがおすすめ
基本的に未経験の転職こそ、転職エージェントの活用をおすすめします。しかし、専門型・特化型・女性専門・ハイクラスなどがあるので、転職エージェントといっても種類は豊富です。自身の目的に合ったエージェントを選んで、少しでも転職の成功率を上げることが大切です。
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