【製造業の平均年収】製造業へ転職するメリット・デメリット解説
転職市場で常に人気のある業界として、製造業が挙げられます。日本を代表する大手企業には製造業が多く、世の中に対する影響力も大きいので、魅力を感じるのは当然のことでしょう。
しかし、製造業のことは気になっているけれど「仕事はきつくないか?」「自分はうまく働けるのか?」といった不安を感じている方も多いと思います。
そこで今回は、製造業で働く魅力やメリット・デメリットについて詳しく解説いたします。実際に製造業で働いていた人の声も紹介しますので、製造業への転職を検討している方の参考になれば幸いです。
製造業の魅力ってどんなところ?
製造業の仕事は、簡単に言うと「モノを作って販売する」というものです。自動車や食品、日用品など、私たちは製造業によって作られたモノに支えられて豊かな生活を送っています。製造業は私たちの生活には欠かせない存在だといえるでしょう。
そんな製造業で働くことの魅力は、「自分が関わったモノが世の中を豊かにしている実感を得られる」ところです。たとえば、自分が作ったモノが実際に販売されたり、使われている様子を見たりすると、嬉しいと感じるのではないでしょうか。直接モノづくりに関わっていなくても、自社で作った製品や、自社の顧客企業が作った製品を目にすると、世の中の役に立っているという実感が湧いてくると思います。製造業では目に見えるモノを作っている分、そういった実感も湧きやすいのが特徴です。
また、日本のモノづくり技術は世界に認められており、大企業、中小企業を問わず世界中に製品を届けている企業が数多くあります。日本のみでなく、世界中の人々の豊かな暮らしを支えていることは、製造業で働く上でのやりがいにつながります。
製造業はきついって本当?実際の職場ってどんなところ?
製造業に対して、「仕事がきつそう」「職場環境が悪そう」といった漠然としたイメージを持っている方が多いように見受けられます。ですが、実際はどうなのでしょうか。
ここでは、職場環境は職種によって異なるということに加えて、近年の製造業の変化についてもご紹介します。
職場環境は職種によって異なる
一口に製造業と言っても、職種によって仕事内容や職場環境は大きく異なります。製造業での主な職種は次のとおりです。
- 商品企画
- 研究開発
- 設計
- 生産技術
- 生産管理
- 資材調達
- 製造
- 品質管理
- 営業
- 事務(経理・人事・総務など)
この中で、工場の製造現場でモノづくりに関わることが多い職種は生産技術・製造・品質管理の3つであり、ほかの職種はデスクワークが中心です。実際には職種ごとに人数のバラつきがありますが、肉体労働だけではなくデスクワークも多いということは、覚えておくとよいでしょう。
製造業のイメージは変わりつつある
製造業の仕事は「3K(きつい、汚い、危険)」の代名詞として長年認識されてきました。実際に、工場での業務には肉体を酷使するものがありますし、油や薬品を使うので汚れやすくなります。また、機械による事故や火災などが発生する可能性もあるので、3Kと言われることはある意味では仕方ないのかもしれません。
しかし、現在の製造業はかつての3Kな職場環境から脱却しつつあります。その理由は、技術の進歩や働き方改革が進んでいるからです。ITやロボットの技術が進化したことによって、製造現場の多くでは自動化が進んでおり、肉体を酷使する単純な作業や危険な作業は機械に任せるようになってきました。その結果、人は人にしかできないクリエイティブな業務を担当することが増えています。
さらに、政府が主導する働き方改革によって、長時間労働や休日出勤などが是正されつつあります。製造業の多くも働き方改革に取り組んでおり、ITやロボットを活用することで働きやすい職場環境に変えることを目指しているのです。
メリット・デメリットを解説
ここでは、製造業で働くメリットとデメリットについてご紹介します。ここで紹介するメリットに惹かれる方は、製造業への転職をぜひ検討してみてください。また、もしデメリットが気になるようでしたら、製造業以外の業界にも視野を広げてみるとよいでしょう。
製造業で働くメリット
モノづくりに携われる
「製造業の魅力」の部分でご紹介した通り、モノづくりによって世の中の役に立てるのが製造業のメリットの一つです。さらに、それが自分の好きな製品であれば、より前向きな気持ちで仕事に取り組めるでしょう。
また、手を動かすのが好きな方や、アイデアを形にするのが好きな方にとっては、製造業の仕事は天職だといえます。
キャリアアップがしやすい
製造業で働く中で専門知識や実務経験が自ずと身についていくため、自分のスキルを高めていけます。資格の取得を積極的にサポートしてくれる企業も多いので、積極的にチャレンジすればキャリアアップを図れるでしょう。
また、製造業ではさまざまなキャリアを選択できるのも特徴です。管理職を目指す道もありますし、スペシャリストとして自分の専門スキルを高め続ける道もあります。自分の目指すキャリアを歩みやすいのも、製造業のメリットです。
安定している
製造業の企業の多くは数十年以上の歴史があり、全体的に安定しています。画期的な技術革新があれば話は別ですが、基本的には急激に需要がなくなるということも少ないため、長く働き続けられるのがメリットです。
特に大手企業であれば取り扱っている製品ジャンルも幅広く、グローバルに事業を展開しているので将来的にも安心して働けます。
未経験でも働きやすい
製造業の求人は未経験でも歓迎しているものが多い傾向にあります。これは、人材を一から教育する方針の企業が多いからであり、そういった企業は教育制度やマニュアルが充実しているので徐々に仕事を覚えていけます。
ただし、職種によっては経験者が優先されることもあるので、注意しましょう。製造や営業系の職種は、未経験であっても比較的採用されやすいです。
福利厚生が充実している
製造業の多くの企業では勤務日や時間が明確に決まっているので、規則的に働けます。大半の企業は週休2日制で長期休暇もあるので、プライベートの時間も確保しやすいのがメリットです。
給与やボーナスといった金銭面に加え、休暇制度や各種手当てといった福利厚生も充実している企業が多いので、働きやすい環境になっています。
製造業で働くデメリット
3Kな職場も一部残っている
以前に比べると少なくなったとはいえ、3Kな職場も一部では残っているのが現状です。過酷な労働を長期間続けて体を壊してしまったり、事故に遭う可能性もゼロではないので、特に工場勤務で転職する際はあらかじめ実際の職場を見ておくことをおすすめします。
3Kとまではいえなくても、基本的に工場では立ち仕事が多いので体力勝負になりやすいことは事実です。体力面での不安がある人は、なるべく避けておいた方がよいかもしれません。
単純作業が多い
工場勤務の場合は単純作業をひたすら繰り返すことも多いです。単純作業が嫌な人や、集中できない人は苦痛に感じることがあるでしょう。また、正確さが求められたり、緻密な作業をしなければならない場合もありますが、そういった作業が苦手な方も多いと思います。
こういったものは向き・不向きの問題なので、無理をしない方がよいです。工場勤務以外の職種を検討するなどして、自分が働きやすい環境を目指すことをおすすめします。
堅い社風の企業が多い
製造業は歴史のある業界なので、堅い社風の企業が多いのが特徴です。年功序列で成果が給与に反映されにくかったり、形式的な会議やイベントが多かったりするので、堅苦しい社風が苦手な人は合わない可能性があります。
ただし、最近では大手企業を中心に古い企業風土を見直そうという動きが活発に行われているので、徐々に変わっていくかもしれません。
製造業の平均年収はどれくらい?
転職先を検討している時に気になるのが、平均年収です。結論から言うと、製造業の平均年収は他の業界よりもやや高めとなっています。ここでは、製造業で働く人の平均年収が実際にどれくらいなのかをデータからみていきます。
国税庁が公表している「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の一人当たりの平均年収は436万円でした。この時、給与所得者の平均年齢は46.7歳であり、平均勤続年数は12.4年となっています。
同調査では、全14業界の業界別平均年収も公表されています。上位の結果は次の通りです。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業 ⇒ 824万円
- 2位:金融業・保険業 ⇒ 627万円
- 3位:情報通信業 ⇒ 599万円
- 4位:学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業 ⇒ 518万円
- 5位:製造業 ⇒513万円
この結果が示す通り、製造業は14業界の中で5位という結果であり、全体平均よりも高い平均年収になっています。このほかの調査でも、製造業は全体平均と同等かそれ以上という結果がでているため、製造業の平均年収が総合的にみて高めだということが分かります。
続いて、業界別の給与階級別分布で製造業がどうなっているかをみていきます。
- 800万円以上:14.4%
- 700〜800万円:6.5%
- 600〜700万円:9.0%
- 500〜600万円:12.8%
- 400〜500万円:15.7%
- 300〜400万円:15.3%
- 200〜300万円:12.5%
- 100〜200万円:9.8%
- 100万円以下:4.0%
これを見ると、製造業で働く人の平均年収のボリュームゾーンは300〜500万円であることが分かります。製造業で働く人の中にはアルバイトやパート、派遣スタッフも多いので、新卒で正社員として働く場合の平均年収は300万円〜というのが一般的です。そこから、勤続年数やスキルに応じて徐々に平均年収が上がっていくと考えられます。
製造業で働く人の声を紹介
最後に、実際に製造業で働いている人の声をご紹介します。実際に働いているからこそ分かる製造業の情報を少しでも知っていただければ幸いです。工場勤務の方と、営業職の方の声をそれぞれ紹介していきます。
ケース1:サービス業から製造業へ転職した男性
まずは、サービス業から自動車関係の製造業に転職をした男性の声をご紹介します。この男性は工場で勤務しており、異業界への転職だったため最初は慣れずに苦労したものの、10年以上経った今では管理職として働いているとのことです。
彼が実際に働いてみて感じた製造業のメリットは次の通りです。
- サービス業とは違って休みが多く、勤務時間が決まっているので生活リズムが安定する
- サービス業のように対人ではなくモノと向き合う仕事のため、自分の裁量でコントロールしやすい
- 手に職がつくので、不況時であっても安心できる
デメリットと感じたことについても、みてみましょう。
- 重量物を運んだりするので、体力的にきつく感じるときもある
- 一人で黙々と作業することが多いので、サービス業に比べると人とのコミュニケーションが減る
ケース2:製造業で営業職として働いていた男性
もう一つは、電子機器関係の製造業で営業職として働いていた男性の声をご紹介します。この男性は新卒で製造業の企業に入社し、研修として工場勤務を経験した後にBtoB営業を担当していたとのことです。
彼が実際に働いていて感じた製造業のメリットは次の通りです。
- 自分が関わった製品が実際に販売されているのを見たときにやりがいを感じる
- 製品や技術に関する専門知識が身につき、モノづくりについて詳しくなれる
- 教育制度がしっかりしているので、未経験であっても徐々にスキルが身についていく
デメリットについてもみておきましょう。工場勤務とはまた違った製造業の悩みが出てきています。
- 顧客の要望と製造部門の間で板挟みになりやすく、調整に苦労することがある
- ルート営業が多いので仕事が単調になりがちで、退屈に感じることもある
まとめ
今回ご紹介した製造業のメリットやデメリットを踏まえて、製造業についてのイメージはどう変わったでしょうか。製造業で働きたいと思った人もいれば、もう一度考え直してみようと思った人もいるでしょう。転職先を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解して総合的に判断しなければならないので、どちらであっても正しい答えです。
自分が何に魅力を感じるか、自分がどんな仕事をしたいのかをじっくりと考えた上で、製造業に転職をしたいと思っていただけたのであれば、積極的にチャレンジしてもらいたいです。
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