【履歴書の書き方】製造業へ転職する際の履歴書作成のポイント
世界第3位の経済大国である日本の産業を支えているのが製造業であり、「Made in Japan」というブランドは世界的にも高い信頼を得ています。
電通が世界20ヵ国・地域で実施した「ジャパンブランド調査2018」では、「1位:ハイテク」「2位:信頼できる」「3位:高性能」という結果でした。
そんな世界に誇る日本の製造業への転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
少子高齢化によって製造業の多くは人手不足の傾向にありますが、何も対策しないと転職に失敗する恐れもあります。
そこで今回の記事では、製造業への転職における履歴書作成や志望動機例などを解説します。
製造業へ転職する際の履歴書作成のポイントとは
製造業へ転職する際の履歴書作成時に知っておきたいポイントです。
- 製造業の仕事内容を理解すること
- 仕事の適性を把握すること
仕事内容を大別すると、以下のように分けられます。
- 商品の開発
- 研究開発
- 設計・開発
- 生産技術・製造技術
- 製造
- 品質管理
- 営業・販売
それぞれの具体的な内容と適正について、下記で解説します。
製造業の仕事①:商品の開発
商品開発は、自社の新製品を開発する仕事です。
市場調査を行ってターゲットの分析を行い、多数のアイデアの中から商品コンセプトを構築します。そして、商品の開発や試作を繰り返し、パッケージやネーミングなどを考案したあとに商品の価格を決めます。
物が少なかった時代は、メーカーの都合だけで商品を開発しても売れていました。しかし、物が豊富にある現在は、顧客ニーズに適した商品を開発しなければ売れないといわれています。
規模の大きな企業では1年中試作を繰り返す「商品開発部」と、どんな商品が売れるのか考案する「マーケティング部」で分かれているケースも珍しくありません。
商品開発に求められる能力
- 世の中の流行に敏感
- 発想力が豊富
- コミュニケーション能力が高い
商品開発は、商品に展開できるようなアイデア力だけでなく、社内外でコミュニケーションを取って連携する力が求められます。
製造業の仕事②:研究開発
「研究開発」は、世の中にない技術や製品を生み出す仕事です。
商品開発が商品そのものを生み出すのに対して、研究開発は商品に使用する技術を開発することが中心の仕事です。多くは理系職であり、理学部、工学部、農学部の出身者が就くことが多いといわれています。
研究開発に求められる能力
- 研究を継続できる忍耐力
- スピード感のある対応力
- 社会のニーズを読む力
研究開発は、期日までに成果を続ける必要があるうえに、すぐに成果が表れなくても研究を継続しなければなりません。よって、以上のような能力が要求されます。
製造業の仕事③:設計・開発
設計は既存の技術を具現化する仕事であり、開発は設計が作成した設計図から実際の商品を作り出す仕事です。コストを考慮しつつも一定の品質を保つ商品を生み出すために、技術の改良が要求される場合もあります。
設計・開発に求められる能力
- コミュニケーション能力
- 正確な対応力
- スケジュール管理能力
設計や開発は、多くの顧客や他部門と連携する必要がある工程なので、コミュニケーション能力やプロジェクト全体を把握する能力などが要求されます。
製造業の仕事④:生産技術・製造技術
「生産技術・製造技術」は、生産設備や生産ラインを整える仕事です。
一定の品質を保つ商品を、低コストかつ短期間で製造するための生産体制の構築、生産性の向上などを目標にして企画や計画を立てます。
生産技術・製造技術に求められる能力
- 情報収集能力や分析力
- 他部門とのコミュニケーション能力
- 目標の達成力
より良い商品の製造や生産性向上のために、製造現場から抽出したデータや声を分析する力が必要です。また、他部門との連携が必須なのでコミュニケーション能力も問われます。
製造業の仕事⑤:製造
「製造」は、商品の生産・製造するために必要な仕事です。
具体的には、生産設備の監視・メンテナンス、原材料の加工・組立、修理、検査といった仕事などがあります。製造業の仕事の中で、最も人員を要する場合がほとんどです。
製造に求められる能力
- 細かい点まで目を通す几帳面さ
- 高い集中力と根気
- 冷静な判断能力
製品や設備が、手順書や仕様書と合致しているか、決められた作業を行えているかなど、細かい点まで配慮できる几帳面さや集中力、判断能力などを要します。
製造業の仕事⑥:品質管理
「品質管理」は、商品の品質向上や管理を行う仕事です。
商品の生産やサービスの構築において、一定の品質があるのかチェックして保証します。「QC7つ道具」など専門的な技法を用いて、製品の不良発生に関する分析や生産ラインの見直しなどを行って、プロセスの管理や改善を図ります。
品質管理に求められる能力
- ひとつのことを追及できる
- 同じ作業が苦にならない
- 小さな変化に気づく観察力
不良品が発生した場合に、原因の特定や解決策を提案する仕事が多いので、上記のような能力が必要です。
製造業の仕事⑦:営業・販売
「営業・販売」は、自社商品の魅力をアピールする仕事です。
商品を販売することで会社に利益を上げるほか、市場リサーチを行って自社の商品へ反映させることも仕事のひとつです。
営業・販売に求められる能力
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- ヒヤリング能力
製品の購入を検討する顧客のニーズなどを踏まえて、その魅力を伝える必要があることから、上記のような能力を要します。
履歴書の作成手順
履歴書の作成手順は、以下のとおりです。
- 日付や氏名を書く
- 住所・連絡先を書く
- 学歴・職歴を書く
- 免許・資格を書く
- 志望動機を書く
- 本人希望記入欄を書く
面接官が履歴書をチェックする時間は、ごく短い場合がほとんどです。
自分のことを短い時間でアピールするには、読みやすさや正確さが求められます。チェックする面接官のことを考えて、短時間で読めるような履歴書にすると良いでしょう。
特に重視するのは、「顔写真」「学歴・職歴欄」です。
過去の教育や仕事から応募者の人物像をイメージするので、わかりやすく記載することが大切です。写真は、清潔感があるなど印象がいいものを使うことをおすすめします。
各手順毎のコツを解説
それでは、手順毎のコツや作成時の注意点を解説していきます。
手順①:日付や名前を書く
面接官が最初に見る部分なので、履歴書の全体イメージが左右されます。丁寧な文字で印象の良い写真を使いましょう。
手順②:住所・連絡先を書く
企業からの連絡を受けるのに必要なのが、住所や連絡先です。
正確であるだけでなく、読みやすい文字で記入することを心がけましょう。電話番号で1と9や0と6の違いがわかりにくいと企業側に迷惑がかかるので、注意する必要があります。
手順③:学歴・職歴を書く
学歴・職歴は、面接官が最も重視する内容のひとつです。
学校名や企業名は省略することがないよう正式名称を記載して、入学・卒業、入社・退社の年月は間違えないようにしましょう。
手順④:免許・資格を書く
免許や資格も、大きなアピール材料のひとつです。
応募先企業での仕事で活かせそうな免許や資格であれば必ず記載して、スキルの高さを伝えましょう。
手順⑤:志望動機を書く
志望動機では、応募先企業で働きたいという自身の意欲や熱意を伝えます。
なぜ応募先の企業に入社したいのかを、正確かつ簡潔に記載することが大切です。具体例については後述します。
手順⑥:本人希望記入欄を書く
自分の希望を伝えるための項目です。
伝え方には注意しないと、面接官にマイナスイメージを与えてしまう恐れもあります。
履歴書作成時の注意点
履歴書作成時の注意点です。
- 時間に余裕を持って作成する
- 応募する企業に向けた履歴書を作成する
- 自分が書きやすい履歴書を選ぶ
時間に余裕を持つことで丁寧な履歴書に仕上がり、第一印象を良く見せることができます。応募企業が求めるスキルや経歴に応えるため、使い回しできるような内容のものにはしないよう注意しましょう。
市販あるいはダウンロード可能な履歴書は、フォーマットが異なります。
たとえば、実務経験が少ない応募者が職務経歴の大きなフォーマットを選ぶと、マイナスの印象を与えかねません。応募企業が求める資格があるなら資格の欄が大きいもの、特に何もないなら自己PRや志望動機の欄が大きいものを選ぶと良いでしょう。
志望動機の具体例を紹介
ここでは、志望動機を記入するための情報をお伝えします。
- 志望動機で抑えておきたいポイント
- 志望動機の具体例
上から順に見ていきましょう。
志望動機で記載したいポイント
以下は、志望動機を記入する際に記載したいポイントです。
- なぜ製造業を選ぶのか
- 応募する会社を選んだ理由
- 希望する仕事内容
製造業を選ぶ際に「モノづくりが好きだから」という理由は定番ですが、自分がモノづくりが好きになったきっかけやエピソードなどを交えて書くと、いい印象を与えることができます。
ほかにも、志望する会社でなければならない理由を書きましょう。「競合他社でなく、なぜこの当社なのか?」という理由は面接官も気になっていることが多いからです。応募企業に対する熱意が伝えられるだけで、面接官の高感度も大きく上がります。
できれば、希望する仕事内容も記載すべきです。
自分のスキルや経験に合った仕事内容であれば、面接官も一緒に働くイメージが浮かびやすいからです。
志望動機の具体例
ほとんどの企業では自己PRを求められることが多く、15~30分の面接時間の間でわかりやすく簡潔に伝える必要があります。自分の話ばかり長々と続けたり、1言や2言だけで終わらせないように注意しましょう。
(具体例1)
・子どもの頃からモノづくりが好きで、夏休みに自作で〇〇や〇〇などを作っていました。独学ですが、△△に関する基本的な知識は習得しています。昔から細かく正確さが求められる作業を黙々とこなすことができるため、××の加工では貴社で自身の強みを活かせると思い、応募させていただきました。入社後も積極的に××の資格習得を目指すと同時に、向上心を持って業務に取り組んでいきたいと思っています。
(具体例2)
・私の長所は、明るく温厚な性格なことから人に警戒されないので、初対面であっても人と仲良くなることができるところです。短所は、集中すると周りが見えなくなってしまうところがあります。自身のチームワーク向上のため、最近は地元のバスケットボールチームに入って練習しています。
(具体例3)
・前職では家電製品の製造における検査工程に所属していました。生産ラインで製品の検査を行っていましたが、より多能工としてスキルアップを目指すために思い切って転職を決断しました。検査だけでなく装置の知識もあるので、貴社の検査工程でも前の経験を活かして貢献したいと思います。また、資格取得サポート制度を活用して、新たな技術の習得にもチャレンジしたいです。ゆくゆくは後継者の育成にも携わっていきたいと思っています。
以上が志望動機の具体的な記入例ですが、こちらの内容だけでなく面接官への質問なども用意しておくと良いでしょう。ただし、調べればすぐにわかる応募企業のホームページに記載されているような内容は避けた方が無難です。
まとめ
今回の記事では、製造業への転職における履歴書作成や志望動機例などを解説しました。
以下に、今回お伝えした内容をまとめました。
- 面接の前に製造業の仕事や自身の適性を把握しておく
- 履歴書を書くときは、読みやすさを意識して丁寧に書く
- 印象の良い「顔写真」を選ぶこと
- 学歴や職歴欄は特にわかりやすく記載する
- 書きやすいフォーマットの履歴書を選ぶこと
- 志望動機は短く終わらず、入社したい理由や希望する仕事も書く
まずは、製造業の仕事がどういったものなのか簡単でもいいので理解しておくことです。面接官と仕事の話になったときにわからないようでは、何とか転職に成功できても、想定外の部署へ配属されてしまうかもしれません。
そして、面接官が履歴書に目を通す時間は限られていますが、だからといって手を抜かないように細かい部分まで考えて記入するようにしましょう。
また、自分のアピールだけでなく応募企業側に対する質問をいくつか用意したり質問に対して的確な返答ができるようにシミュレーションしておくことで、応募する企業に興味があることや自身の熱意を伝えることができます。
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